(写真左から2番目-Irie Shuichiさん)
2020年1月〜2月の4週間、CELTAコースFace to Face(対面授業)を受講された、Shuichiさん。英語教師としての指導経験はない中で挑んだ、4週間。
CELTAコースの情報があまり多くないため、実際CELTAコースを受講している方はどれくらいの英語力?英語ネイティブでなくても受講出来るの?どんな授業しているの?色々と疑問が出てくると思いますが、そんな疑問にSHuichiさんが答えて下さいました。
英語教師としてのスキルアップとして、英語教師になることをご検討中の方は、ぜひご覧下さい!
CELTAコースを受講しようと思ったきっかけは?
以前大学で勤務していた際に、英語を勉強している学生からよく質問を受けることがありましたが、すぐに答えられないことが多く、英語を教える上での基礎知識を身につけたいなと思いCELTAコースを受講しました。
私は教師経験がないので、英語教授法の理論だけでなく実践的なテクニックが学べる資格を探していたところ、世界的に知名度の高いCELTAがぴったりだなと思い、受講を決めました。
受講にIELTS7.5が必要ということで、IELTSの勉強を開始しました。IELTSの参考書を中心に勉強を進め、スピーキングについては、オンライン英会話を利用しながら、対策を進めていきました。結果として、目標としていたOverall 7.5のスコアを達成することができました。
その際のIELTSスコアは下の通りです。
IELTS7.5
Overall:7.5
S:8.0
L:8.0
R:7.0
W:6.5
CELTAコース申し込みについて
申込時には、文法知識を問われる問題とライティングの課題がありました。申し込みサイトに登録すると、入力した内容を保存することができるので、数日に分けて課題をこなしていきました。
文法問題については、似たような意味を持つ単語の違いを説明する問題や、発音に関する問題などがありました。ライティングについては、自分自身について述べる課題などがありました。
筆記課題を提出してから数日後に面接についての連絡があり、Skypeでの面接を行いました。面接では、CELTA受講理由や筆記課題についての振り返りを行いながら、同時にコース受講が可能な英語力を有するかについても面接で判断されます。
受講許可から受講までのPre taskについて
コースへの参加が許可されると、Precourse task(事前課題)が送られてきます。事前課題では、不定詞や過去完了形などの文法用語がたくさん出てくるので、コースが始まるまでに覚えるようにしました。
私はコースが始まるギリギリに申し込みをしたので、事前課題にあまり時間を費やすことが出来ませんでした。事前課題に時間を費やすには、3ヶ月前には申し込みしたほうが良いかと思います。
※実際に、このpre taskはコース受講に生きましたか?
はい、precourse taskの課題は、CELTAコースの内容と重複している部分が多いので、事前に課題をこなすことで専門用語に慣れておくといいと思います。
CELTAコース内容
授業時間は:12時〜20時30分
(たまに伸びることもあり)
week 1
CELTAコースは大きく分けると、インプットセッションと実習(Teaching Practice-TP)の2つから構成されています。Week1のインプットセッションでは、CELTAの教授法において重要な用語を学び、またクラスマネジメントについての授業がありました。Week1で学んだ用語は、4週間のコースの中で何度も出てくるので、Week1である程度理解しておくことが大切だなと感じました。
CELTAでは、CELTAタウンと呼ばれるメソッドがあり、授業を進めていく上で決まった流れがあります。例えば、授業の最初はLead-Inから始まり、リーディングやリスニングのレッスンでは、MFP(Meaning,Form,Pronunciation)と呼ばれる流れが重要となります。
TPは45分授業を週に2回行いました。最初の2週間はPre-intermediateレベル(初中級レベル)でTPを行いました。
TPの流れとしては、レッスンプラン作成→TP→自己評価レポート提出→フィードバックとなります。最初のうちは、レッスンプランの作り方がわからず、かなりの時間がかかっていたのですが、不明な点については、Tutorが丁寧にアドバイスをしてくれたので、少しずつレッスンプラン作成のコツを身につけることができました。
week 2
Week2では音韻論や英語4技能の技能毎に適した教授法について学びました。スピーキング、ライティングはProductive Skillと呼ばれ、アウトプットが中心の授業となりますが、リスニング、リーディングはReceptive Skillで、インプットが中心の授業となります。インプットセッションでは、理論だけではなく、Tutorが実際に模擬授業のスタイルでテクニックを見せてくれるので、レッスンプランや授業の際に実際に使えるテクニックを教わることができ、TPですぐに実践することができました。
week 3
Week3からは、TPの指導レベルがUpper Intermediateレベル(中上級レベル)になり、教材の内容や生徒の反応に合わせたレッスンプランを心がけるようにしました。
インプットセッションでは、CELTAの教授法を実践している授業をビデオで見ながら、CELTAのテクニックについてクラスメートとディスカッションを行いました。
また、仮定法と未来形に関する教授法について、Tutorが模擬授業を行い、高度なテクニックを実際に見せてくれました。
week 4
Week4では、CELTAで学んだ技術を将来的にどう生かしていくかについてインプットセッションが多く、Professional developmentやマンツーマンとグループレッスンの違いなどについて学びました。
アサイメントについて
CELTAコースでは、期間中に4つの課題提出がありました。
★言語関連のタスクー自分の文法知識を問われるもの 4つ文法、2つ単語
★実際の生徒がどのようなことに興味があり、どのようなレベルで、どのようなことを求めているか(実際のTP studentのPre Intermediateレベルの学生)
→TP初日に学生へのインタビューがある。これをTPやレポートに生かす
★実際に教材を選んで、学生がどのようなスキルを身につけることが出来るか?
★4週間の振り返り(自分自身のteaching skillを評価して、長所と短所を記載する)Iが主語ではなく、第三者として記載する(主語はshe or he)
各アサイメントは1000語程度で、分量としてはそんなに多くないように感じましたが、アサイメントの評価基準が細かく決められているので、決められた語数の中でいかに適切な情報を盛り込むかが重要でした。
アサイメントの提出は2週目から始まりましたが、TPの準備に加え、アサイメントを書かないといけなかったので、優先順位を決めて効率的に課題をこなしていくことが大切だと感じました。
特に、第3週目はアサイメントの再提出などもあり、複数のアサイメントとTP準備などで、時間を見つけることの難しさを痛感しました。
Teaching Practice-TP
TPは45分×全8回ありました。レベルはpre-intermediateとupper-intermediateで、生徒は8名〜10名程度でした。
TPでは、授業を行うだけでなく、他のTraineeの授業を見て、授業に対してどう感じたか、どのようなことが良かったか、どのようなことを改善したら良いかを共有するフィードバックセッションがあります。Traineeの授業を観察しながら、良いテクニックについては自分の授業でも生かすように心がけました。
クラスメイト
アメリカ人3人、カタール人、デンマークー計6人
コース参加者は私を含め6名でした。人数が少なかったということもあり、みんなで協力しながら、授業やTPに取り組んでいきました。インプットセッションでは、専門用語などが聞き取れない時がありましたが、クラスメートが補足説明をしてくれたので、なんとか乗り切ることができました。
日本の指導アプローチとの違い
CELTAでは、教師が話す時間(Teacher Talk Time)よりも、学生がいかに授業内で発話をするか(Student Talk Time)が重要とされます。TPを始めたばかりの頃は、話す時間が長くなってしまい、Tutorやクラスメートからも指摘されることが多かったです。
CELTAでは教師が説明をするのではなく、生徒からキーワードを引き出すことが大切でした。キーワードを引き出すためには、CCQ(Concept Check Question)と呼ばれる質問を生徒に投げかけることが重要です。
また、CELTAでは、正確さよりも流暢さが重視されています。日本では、間違えないように正確さを重視する傾向がありますが、CELTAでは、正確さよりも流暢さを重視し、間違いかどうかを考える前に、発話を促します。
指導経験がなくてもコース受講は問題ない?
クラスメートには教師経験者も何人かいましたが、やはりディスカッションなどでは、率先して発言をしており、経験が生かされているなと感じました。
私は教師経験がありませんでしたが、CELTA教授法をゼロの状態から吸収することができたので、その点では良かったかなと思います。
実際にCELTAコースを受講した感想
CELTAコースはintensiveなコースだと事前に覚悟はしていましたが、実際に受講してみて、やはりこの4週間に内容が凝縮されていて、大変だったけどすごくやりがいを感じたというのが率直な感想です。
約1ヶ月間の生活リズムがCELTA色に染まりますので、休日の過ごし方や睡眠時間の確保など、ある程度時間を決めておくことが大切だと感じました。
私は睡眠時間を必ず6時間取るように心がけました。Week 3は特にTP準備と課題に時間を取られるので、体力的にしんどくなる週だったのですが、体をリセットするという意味でも、睡眠時間の確保は大切だと感じました。
